”アトリエふわり”というエシカルファッションブランドを始めて
10周年を迎えるデザイナーの鈴木ひろみさん
ふわりは地球にも人にも優しい 土に還るお洋服
環境を大切にする服作りは
自然も私たちも地球の一部と考えているということ
色や天然素材にこだわり
身に纏うことで感じる心地よさから
日常を穏やかに気持ちよく過ごすお手伝いをされているブランドです
ひろみさんは20代の頃
タイを拠点にボランティアをしながら 世界の国々やタイ国内の様々な場所を山中も含め旅をしました
その後
様々なお仕事や経験をされてから
全く異なるお洋服の世界へ
現在工房は タイを中心にラオスやアジア諸国にあり 現地の人たちと フェアトレードでお仕事をされています
お洋服を通してひろみさんが伝えたいメッセージ
ぜひ感じてください
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世界を旅していた時に ベトナムを訪れホーチミンやハノイを旅したのは
ベトナム戦争後初めて外国人の観光客を受け入れた年でした
ホーチミンで物乞いをしている小さな女の子が
枯葉剤の影響を受けた状態で生まれてきた赤ちゃんを抱っこしていて
その女の子は
うわぁっ怖いだろうという風に赤ちゃんを見せてきて
でもお金頂戴という風に
ベトナム戦争が終わってから時は流れているはずなのに
枯葉剤の影響を受けた赤ちゃんが存在するのを目の当たりにして
私 その赤ちゃんを抱っこさせてもらった
女の子の腕から ヒョイっと抱き上げて
自分は戦争を体験したことがないけれど 抱っこしている赤ちゃんを見て
人が作ったものが人をこんな風にしてしまう 戦争は命のやりとりをしているんだなと初めて実感しました
その時に 私 ちょうどカバンの中にマーブルチョコを持っていたから
赤ちゃんを抱っこしていた女の子に 手のひらを出しなって言って
その子の手にマーブルチョコを出してあげて 食べなってこうジェスチャーしたら
1個食べたのね
その食べた時の目の輝きが 私は忘れられなくて
その前に 私のバックのファスナーを勝手に開けて お財布かなんか持っていこうとしているのに
食べた瞬間の表情に なんとも言えない感動をした
子供の顔に戻った彼女の表情は今でも忘れられない
そうやって私は色々な場所へ旅をして どうしてこういう目に遭わなくちゃいけない子が 世界中にたくさんいるのだろうというのを見ていくのだけれど
その後 タイやシンガポールに住んでから 日本に戻った時に
日本に住む外国人の人達を支援する団体で働いていました
そのなかに タイから日本に人身売買で連れてこられた女の子がいて
直接は会えないから 電話で何度もやりとりをしながらタイに帰るよう話をしたけれど その子は帰らないと決めてしまって
それでも帰るように何度も説得するのだけれど 連絡が取れなくなって
最終的にその子が
自ら死を選んでしまったことを 亡くなってから知りました
アトリエふわりの工房をタイにこだわったのは
自分が何度も暮らしているということもあるけれど こういう経験をして 何か自分にできることがあったらやりたいと考えていたから
私は 食べていくために自らの体を売らなくてはいけない女性や子どもたちが 世界中にいることを知って
女性がそれ以外の仕事で働けるように 本当一雫かもしれないけれど
マザーテレサの”大海も一雫から”という言葉の通り 自分にできることをしていこうと思っています
その後も 犯罪を起こして身寄りのない人たちと 拘置所で面会したり裁判を聞きに行ったりしていたのだけれど
どうしてこんなに不幸なことが起きてしまうのだろう 人が生きるということは本当に難しいと感じました
自分もそういう人たちがいるとは知らなかったけれど 知る経験をしたからこそ
”日々を平和に穏やかに暮らしていく”ということが どんなに大切かということを知って
私には何ができるのだろうというのを ものすごく考えました
そして 日々を着ていく”服”というものが 心地よく生きていくための ひとつのツールではないかという考えに辿り着きました
服を作っていたら 私のメッセージを伝えられるかもしれない 聞いてくれる人がいるかもしれないという 想いもあります
私もそんなに器用な人間ではないから 欠けている所だらけ
それでも 日々を楽しく 安定して生きていくには
気持ちいい生地を着ること
リネンとかオーガニックコットンは すごく着心地がいいじゃない 楽ちんだし
自分で着ていても 気が通っていく感じがわかります
なんていうのかな
体の中に滞りがない
忙しくて疲れていると 肩の辺りで流れが止まっている感じがするけれど
すごく気持ちのいい生地を着ていると 体がスッとする
着る物を通してそういう感覚があります
他にも 静電気が起きにくかったり 電磁波を通しにくかったりというのもあって 体に負担をかけにくいから
アトピーとか皮膚が敏感な人にとって 良いことかなって
私自身とても体が弱く病気もして 心と体がつながっていることを実感したからこそ
体も心も 気持ちがいいとか できるだけ健康でいられる秘訣とかも 伝えられたらいいなと思っています
あと私がすごく大切にしているのは”色”
色彩心理って言葉があるくらい 色の持つ力というのが 着て纏っていく人の味方になってくれたら良いなと思っています
このすごく生きにくい世の中を どうしたら生きやすくなっていくのかなという想いが
常に私の中であって
私自身若い頃は 生きることが苦しくて もがいて足掻いてきたけれど
今になってやっと 何もなくても生きていれば良いんじゃんと思えるようになってきました
だからこそ
生きていくのがしんどいと思った時に
「いや生きようよ」って私は伝えたい
本当に辛い中にいたら そんなことは言えないくらいのことも あるかもしれないけれど
辛い時があっても 私たちは幸せになるために生まれて 生きてきているし
辛いことも見方を変えたら ちっぽけなことかもしれないから
私は若い頃に旅をして 色んな世界を見たからよりそう思えるのかもしれないけれど
世界はとても広くて 生きていく世界はそこだけじゃないよと伝えたい
今 辛い苦しいと感じている人たちにも 自分が所属している場所や生きている世界から
一歩外へ出たら 違う世界があることに 気づいて欲しい
みんな 愛されている
だからこそ私はやっぱり
「生きようよ」って伝えていきたい
このちょっと気持ちいい服を着て 普段がご機嫌になって 辛いことも乗り越えていけたらいいかなって
そして 色がその時の気持ちを代弁してくれたり 力になってくれたりする
私は小さなことしかできないけれど 本当小さなことだけれど
もしかしたらそれが
誰かの生きる 小さな光になったらいいなと思う
吹けば飛んじゃいそうなんですけど コロナもなんとか乗り越えて 今がある感じ
タイに縫い子さんたちもたくさんいるから 生活もあるけれど
いっぱい作って売ることよりも そういうことがメッセージとして 服を通して伝えられたらいいなって思う
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今回のインタビューはオンラインでバンコク(ひろみさん)・埼玉(モリへー)・北海道(ケイティ)を繋ぎおこないました
お写真はアトリエふわりさんよりご提供頂いております
アトリエふわりHP
https://atelier-fuwari.com
Instagram
https://www.instagram.com/atelier_fuwari/
ひろみさんのInstagram
https://www.instagram.com/romifuwari/
アトリエふわりのお洋服を常設しているお店
Ekocaさん 東京都
https://ekoca.com
Un Jour & Un Jour marchéさん 静岡県
https://kocuu.com
Coteranneさん 千葉県
https://www.instagram.com/coteranne/
星ノ宮 地蔵庵さん 埼玉県
https://www.instagram.com/jizouan/